オナカスイタ
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中華街、天龍菜館のおまかせコース
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そのお店は以前グルメ系記事で「中華街最後の秘境」なんて紹介のされ方をしました。
しかし秘境というかむしろ魔境ですね。

石川町駅から中華街に向かい、入口である善隣門に入る前の路地に小さなお店があります。
かつては齢80前後のお爺様が1人で鍋を振るっておりました。
50年くらい前の広東家庭料理を出す稀有な店とあって
小汚いガレージを改造した小さな店に
大勢のドのつく中華料理マニアが足を運んだものです。

ガレージ改造というと海外のバーのような
こじゃれたイメージを浮かべる人もあるかもしれませんが、そんな幻想は捨てて下さい。
納屋代わりに使っていたガレージに荷物もそのままにテーブルを押し込めたような塩梅です。

元々ガレージなので隙間風が入ってくるから冬は防寒対策が必要だったり
備え付けの割り箸は何故か新潟の弁当屋のものだったり

コップも茶碗もどこか薄汚れていて
儀式でなくマジな意味で洗杯が必要だったり。
(昔衛生状態がよくなかったころ、食器を客がお茶で洗っていた故事。
今でも飲茶の儀式として残っています)
付け加えると取り皿はティーソーサーです。

調理場が3階にあり、一応エレベーターは設置してあるものの
使い方がよーわからん、ということで
齢80位の爺様にとっては重労働であろう中華鍋を振るい
3階から急な階段を下りて料理を運んでくるわけです。
もう注文するだけで老人虐待なんじゃないだろうかと思う。

このお店の伝説的なエピソードは他にも数多あります。
興味のある方は検索かけてマニアの方々の足跡を追ってみるといいかもしれません。


さて、時は過ぎとうとうお爺様は引退なさりました。
今では毎日悠々自適されているようですが
お店は若いシェフに任されています。

そんなこんなで数々の武勇伝を誇ったドのつくマニアの方々のほとんどは
お爺様が直々に腕を振るっているのでなければ意味はない、と
離れていきました。

のですが…そこで眼中から外してしまうには惜しいのです。
滋養味溢れる煮物、強烈な味と香りの発酵調味料の効いた炒め物
予想外にレベルの高い点心等々
のメニューは相変わらずです。
ここ以外のお店で食べる事は不可能な味は健在です。

お爺様ご本人の腕と比べて、とマニアの方はおっしゃるかもしれませんが
それを差し引いても味と値段を考えれば素晴らしい出来だと思うのですよ。

ただ…相変わらずの店の小汚さという敷居はあるけどね!

いつもアラカルトで頼んでたのですが
たまには予約して予算3000円のお任せコースで、と目論んでみました。
ただ、鶏アレルギーの同行者がいるので鶏は少なめに。
病み上がりの人間が多いので薬膳的なスープもつけて
あと点心好きな人がいるので点心大目に
とか注文をしました。

だけど日本語が達者でない店番の青年にどれだけ通じたのやら
でもその辺も味として受け止めようじゃないですか。


……とようやくアタマの写真に戻るわけですね。
のっけから蒸し鶏です。
この料理はなんか、いちばんムラが出やすいです。
2代目シェフも腕はいいんですが、ちょっと日によってムラがあったりします。
この料理は来るたび別の料理みたいな外見になったりします。
が、それでも美味しいのは確かなんですよね。
柔らかい噛み応えの鶏とすすりたくなる油ダレ素敵。

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実はここで叉焼は初めて食べます。
赤くないオレンジ色の豚。
味もチャーシューの常識を覆します。
バーベキューポーク的というか。
これもまた次来たとき是非食べたい味ですねぇ。

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名物黒酢酢豚。
野菜なぞ一切ない揚げた豚です。
衣のサクッとした揚がり方が素晴らしい。
豚もうまい。
ゴロゴロ山盛りで食べ飽きそうなものですが
何故か飽きない!?

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定番の野菜、豆苗炒め。
ものすごくオーディナリーな料理ですが、これも食べ飽きないもんですね。

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イカと野菜の黒豆炒め。
この大ぶりな黒豆の深い味がもーたまらんっ!!
汁だけご飯にかけてもうまそうです。
風味づけに入ってるニンニクもえらくうまい。
この濃い目の味が柔らかく炒められたイカによく合うんですね。

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魚の豆腐あんかけ。
予約したからこそのメニューにないお料理です。
パリパリに揚がった魚は皮だろうが頭だろうがほんとにうまい!
しゃれた味付けをしていないあんが如何にも家庭的でいいですね。

以前よそでピークを過ぎた時間に中華料理屋に入ったら
従業員家族の食事時で、こんな感じの料理を食べているのを見て
羨ましく思ったことを思い出しました。
確かにメニューに載るような料理じゃないよね。
だがウマイんですよこれが!

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リクエストにあてがわれたのは冬瓜とスペアリブのスープ。
どこんどこんと厚切りにされた冬瓜がいい。
中華のこういうスープって美味しいんですよね。

日本では卵スープとか酸辣湯くらいしか一般には知られていませんが
豊富なダシをじっくり煮込んだ白湯は本当にいい味なんです。

いやー、もう結構食べておなかいっぱいです。

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揚げ豆腐キター!!
この調理法が素晴らしいんです。
発酵調味料で炒めたピーマンと玉ねぎの香ばしさ。

これは香港の街の香りなんですよね。
空港からエアポートエクスプレスに乗り
街に降り立った時に鼻孔をくすぐる匂いまさにそのものです。

これはお爺様の代にはなかった奇跡の逸品です。
まぁ、一品で頼むなら海老にするのがいいと思います。

以前知らずに海老揚げと揚げ豆腐と大根餅を頼んだところ
全部この調理法だったことがあり
しまった、料理が被ってしまったどころじゃねぇ!
でも美味しいからいいか、なんてことがありました。

DSCF4839_R.jpg

焼き小龍包。
最近の中華街での流行モノですね。
肉汁が詰まっていてうまい。

だが…この時の我々は後に大変な事態が待ち構えていることなど
知る由もなかったのである。

DSCF4840_R.jpg

蒸し籠に入れられた焼売がやってきました。
むむ、先ほどの焼き小龍包でそろそろ〆かと感じていたのだけど
まだありましたか。
ちょっと大きめで中華街ではよくある奇をてらっていない焼売だけど
やっぱりうまい。

DSCF4841_R.jpg

って餃子きたよ!
なんか、頭の中ではシューティングゲームのボス連続バトル
RPGの中ボス連戦のBGMが鳴り響いてきましたよ。
ここは俺に任せて先に行け!とか自己犠牲精神を発揮するNPCが…いるわけないな。

いやでもこの餃子、クタっとした羽根なんかのイケてない外見に反して美味しいぞ?
ニラが立っている…というか…。
妙にニラの旨味が引き立っていて
醤油がなくてもじゅうぶん美味いっ!
しかしハラの許容量はもうかなり少ないっっっっ!!

店番の青年が炒飯は食べられそうですかと聞いてくる。
苦しいが…苦しいがサムズアップ!
ああもちろんだとも!

杏仁豆腐もいただきますとも。

DSCF4842_R.jpg

……って炒飯より杏仁豆腐先に来ちゃったよ。
しかしこれもまた稀有な味。
昨今杏さえ使われていない杏仁豆腐がまかり通っている世の中だというのに
これは香りとコクの北杏、甘い風味の南杏がきちんと感じられる。
というか北杏が強めで苦味がある。
こんな杏仁はここでしか食べられませんよ。
毒性が高いともいいますけどね。

DSCF4843_R.jpg

ラストは咸魚の炒飯です。
塩漬け魚の発酵臭がたまりません。
うまい、うまいよー。
でもさすがにもう入らない、ということで
半分以上テイクすることにしました。

戦いは終わった。
だがこれは新たなる序章への幕開けに過ぎない。
我々の食への飽くなき探求はまだまだ続くのだ。
だが、今はひと時の戦士の安らぎを………。
はらがくるひぃ……。

…一人頭3000円で13品(デザート含む)。
いや多すぎだろ!
コストパフォーマンス良すぎです。

相変わらずこんな素敵な料理がいただけるのです。
こんなお店滅多にないんだからねっ。

というわけでまたここに足を運んでしまうことでしょう。

小汚いとか、衛生観念が微妙とか
華やかさに欠ける地味な茶色い料理の応酬だとか
発酵調味料の香りだとか
人を選ぶ店ではありますが
やはり素晴らしいと思うのです。

お爺様の代より魔境っぷりが減ったのが残念と見るか
使いやすくなったと見るかは人それぞれですね。

DSCF4846_R.jpg

お客さんごと写しちゃったのでいずれこの写真はいずれ差し替えましょうかね。

天龍菜館 参考ページ
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